Vintage Trouble / The Bomb Shelter Sessions (2012)



Genre: R&B/Blues/Rock
For Fans of: James Carr, Otis Redding, Lenny Kravitz.
Country: Los Angeles, US.
Label: Unsigned.
Official: http://www.vintagetrouble.com/index.html

1. Blues Hand Me Down
2. Still And Always Will
3. Nancy Lee
4. Gracefully
5. You Better Believe It
6. Not Alright By Me
7. Nobody Told Me
8. Jezzebella
9. Total Strangers
10. Run Outta You

1曲目に必殺のファンキーなブルースロックを決めてきて、多くのロックファンにCDの購入を決意させた今作。新人バンドだけど新人じゃないVintage Troubleの1stをレビュー。

Blues Hand Me Down


メンバー全員が10~20年近くのキャリアを持っていて、それぞれが別々に活動していたらしいんですが、友人同士の付き合いはあったようです。ヴォーカルのTy TaylorはDakota Moonという90年代に活躍したR&BバンドでVo/Gtを務めており、解散後はソロとして活動。そのソロにもツアーメンバーとして帯同していたメンバーを元に結成って感じっぽいです。

そんなわけで、新人バンドの勢いに任せた荒いプレイスタイルではなく、円熟味を見せつつある落ち着いたスタイルのようです。なのでアルバムを通して聞いていくと、1曲目のようなキレキレのロックナンバーは余りなく、聴かせる南部テイストなR&B/Soulが多くを占めています・・・素晴らしい!これは嬉しい誤算でした。正直そっちの方が好きだったりするので。

落ち着いたスタイル・・・とは言うものの、ライブでは違うようです。特にヴォーカルTy Taylorの熱いパフォーマンスは人気らしいですよ。
Ty Taylorはアメリカの番組の企画でINXS(AUS)のヴォーカリストを決めるオーディションに参加し、ファイナリストまで残った経験があるようです。つまり人を魅了する何かを持ったパフォーマンスを見せつけてくれるヴォーカルであり、それがライブでしっかり表現されているそうな。

Nobody Told Me


あと、このバンドはある種のスタイリッシュさも持ち合わせているのも人気の1つかも・・・特に日本で人気がある理由としてはかなり大きいかも。
友人曰く、日本のヴィンテージロック好きは、ブルース影響下のロックが好き!と言ってもブルースは通ってなかったりする人もいるみたいで、泥臭すぎるサウンドになるとちょっと忌避感が出てしまうこともあるそうな。
勿論それが悪いわけでもなく、「ブルースこそ全て!」なんて原理主義的な事を言うつもりもありませんが、振りきれたピーキーなものよりはバランスが優れたものが好まれるこの国では、こういったサウンドの方が人気なんだという部分はあると思います。程良いルーツサウンドは調度良い具合に土の匂いを感じさせてくれるし、シンプルに歌い上げるメロウな旋律もより曲を聴きやすくしてくれています。音楽としての芸術性を追求せず、変化球も投げず、娯楽として感じるままに楽しめるリズムアンドブルースを展開しています。

Not Alright By Me


まあ上記であんな偉そうな事言ってますが、僕も友人の言うようにブルースをしっかり通っているわけではないので、こういうバランスの良いバンドは大好きですね。まあこのバンドはブルースってかR&B/Memphis Soulって感じだけど。ともかく、そういうライトな層が若い人に増えたからこそのリバイバルシーンが盛り上がりなのかも?なんて。

ただ、このバンドはリバイバルシーンの若いバンドと一線を画する部分は、彼らよりもルーツとしてのブラックミュージック(R&B/Soul)を強く感じさせる部分。そういうライト層だけではなく、60'sサウンド好きの心も動かしたのは、そういうルーツミュージックへのリスペクトや愛が楽曲から感じられるからかなあと思います。
とにかくおすすめなバンドですよ。是非。

Nancy Lee 




0 コメント: